税コラム
NISA、iDeCoの拡充!資産所得倍増プラン策定へ!一般NISAのメリットデメリットをわかりやすく解説
1. はじめに
既報の通り、政府が掲げる経済政策「新しい資本主義」の実現に向けた実行計画案が公表されました。このうち、NISAやiDeCoなどの優遇税制の拡充が盛り込まれる資産所得倍増プランを年末までに策定するようです。
今回は、現時点で報道されている情報を記載するとともに、現行の一般NISAにおけるメリットデメリットをまとめてみました。なお現行の一般NISAは2023年までの取り扱いとなり、2024年からは新制度に変更になります。
2. NISA、iDeCoの拡充内容(予定)
■ NISA
- 非課税となる株式購入枠の引き上げ
- 期間延長
■ iDeCo
- 年齢要件を65歳未満から70歳に引き上げる
新しい情報があれば随時アップデートしていきたいと思います。
3. 一般NISAにおけるメリットデメリット
■ メリット
- 年間投資額120万円に対する運用益が5年間非課税(6年目以降は、ロールオーバーにより非課税枠の継続が可能)
- いつでも利確することができ、投資資金を引き出すことが可能
- 投資可能な商品の種類が豊富
■ デメリット
- NISA口座内で生じた利益や損失は、他の口座で生じた利益や損失との損益通算ができない
- NISA口座内で生じた損失は、繰越控除することができない
- NISA口座内で外国株式等を運用している場合に、配当に係る源泉所得税を外国税額控除の対象とすることができない(そもそも日本で課税されておらず二重課税になっていない)
■ 留意点
- NISA口座内の株式に係る配当については、株式数比例配分方式により、NISA口座内での受け取りにしないと非課税扱いにはなりません。ゆうちょ銀行や指定の銀行での受取にしている場合には、通常通り20.315%で源泉徴収がされます。ただし、その場合には、上場株式等との譲渡損との損益通算が可能です。
- NISA口座内で管理している株式等を、NISA口座以外の他の口座に移転する場合には、移転時点において売却があったものとみなして、移転時点における時価で取得費が洗い替えされます。ただし、売却益は課税されず、売却損はなかったものとされます。
- 2024年から、現行のNISA制度は、2階建ての非課税制度に変更になります。
4. まとめ
現時点では拡充内容がざっくりとしか公表されておりませんが、より投資が促進されるような税制になることを期待したいですね。しかし、一時的は「1億円の壁」と称して所得が高くなるほど所得税負担率が下がることを取り上げて、金融所得課税の見直しについて言及しておりましたので、NISA・iDeCoの拡充の一方で、他のところで増税にならないか、今後の動向をよく注視しておかなければならないと思います。